私の頭の中には、ある特定のがちっとした「枠」がある。
その「枠」をどうしても外すことができなくて、
かといって、「枠」に入れなくて、
変に苦しんでしまう。
それがなんなのか、よく見るのが怖い。
どうしてその「枠」を持ち続けるのかに疑問を持つのが怖い。
向き合わないで済むのなら見ないでおきたい。
ところが、摂食障害はそれが何なのかを見つめさせる。
「枠」の正体は
ただ単に盲目的に信じてることだったり、
実際そうでないことかもしれないのだけれども、
反射的に「枠」にしがみつきたくなってしまうようなもの。
まるで何かの罠のように、捕らえられて離れられない。
それから離れてもいいチャンスがいくつかあった。
私は何度もそのチャンスを逃してきた。そしてたくさん泣いた。
いつの間にか、とっくにその枠に捉われることなくてもいい状況になったのに、
「枠」につながろうとする私がいる。
ただの思い込みかもしれないけど。
以前、こんな話をきいた。
象使いは子象のうちから、象を調教する。
子象さんが逃げないように、足に鎖を巻いて、杭につなげておく。
幼い象にはその鎖を引きちぎる力はない。
だから、子象はそのまま繋がれることに慣れていく。
そして、大きくなって鎖を簡単に引きちぎれるほどの力を持つようになっても、
象はおとなしく杭につながれたままでいるという。
私にとっての「枠」が杭と鎖に当たるなーって思った。
学生の頃、それを引きちぎれない自分が情けなくてたまらなかった。
逡巡の末、無理やり千切ってみた。
身体は遠くにいるけれど、
頭の中は「枠」からなかなか外れることができないのに気がついて、ショックのパーなこの頃。